下京区木津屋橋道路に位置するこの敷地は、隣接する木造住宅の外壁を境界線とし、前面道路を南側に南北に伸びる間口4.4ｍ、奥行き13.6ｍからなる。
木津屋橋通りは交通量が多く、昔ながらの木造住宅の街並みは、堀川通りに立ち並ぶビル郡や、木津屋橋通りに面して建つ小学校の校舎に東と南を遮断され、昔ながらの住まいでは対応が困難な状況に追い込まれていた。今回の計画では、内部空間が外部に求める機能を制御することで、外部環境との共生を試みた。階段室を軸に開かれたスリットは南北に貫通し、パンチング階段や床材にファイバーグレーチングを使用し、ポリカースクリーンで開閉することで風通しや採光、温度調節を屋上のグラスハウスを通じて機能するとともに、外部環境を内部に導入するフィルターのような二次的な役目を果たしてくれることで、居住性を確保した。