私にとって森村さんとの打ち合わせは、具体的なプランの話をするというよりも、建築についての話ができることにこそ意味がありました。 建築を見るのが趣味だといっても、建設業界にいるわけでもない 自分にとっては、周りに建築の話ができる人間がいるわけもなく 全く孤独な趣味でした。
それが、打ち合せを口実に建築の話ができるのですから、 水を得た魚 のように知ったかぶって、しゃべりまくりました。そして、森村さんからも たくさんのお話を聞きました。
また、森村さんの新しい作品が建つと、完成後は勿論、建築途中でも 案内していただきました。
特に宇治の「I-HOUSE」が建ったときは、 自分のところの土地が軟弱で、RCでは建てられないかもしれないとい う大ピンチの時であったにもかかわらず、「I-HOUSE」のそのすばらしい 出来に、我が家の話はそっちのけで大興奮していました。
この先、家が完成してしまうと森村さんから建築の話を聞く口実がなくなるのが残念ですが、一方で一日も早く自分の家を見たいという 気持ちも押さえがたく非常に複雑な心境です。 |