● 敷地環境の条件。
1:敷地面積294.46uとし、ケンペイ率70%(2方向道路による)、容積率200%とする。
2:敷地の特徴として南側道路に開ける、角地である。
3:高さ制限の検討、10m規制の日陰規制の検討。
  日影関係に付いては、ゾーニングおいて、左右され今後も課題として残ると考える。
  日影規制による日影図では、5mラインの3時間の影がクリア出来ない。
  容積は、10m以下のほうが大きいと考える。
4:この地域は、比較的昔の面影を残す住居環境、やバブル時の成長とでも言おうか、同種の建築物が立ち並ぶ環境に対しこの建物は、近隣のランドマークとなる可能性を持っている。
●テナント(30u、約10坪/室)4室について。
1:現在出店を希望される寿司屋さんと、スナックであるが、テナント客の動線と、サービス
  スペースとの関係を整理する事(ゴミ問題、ストックヤード、電気、ガス、給水等)。また、
  マンション居住者、オーナー(自転車、駐車場の出入り)のプライバシーとセキュリティー
  の関係も解決しなければならない。
2:全面のファサードに付いて、看板の配置や、テナントのシルエットの問題。
3:テナントスペースに付いては、家賃と広さの関係(広さについては自由度が必要)、天井
  の高さなども考慮し、付加価値を持つこと。
  テナント用のバイク、自転車、自動車等の関係も想定する。
● マンションの入居者について。
1:基本的にワンルーム形式を採用する。
2:住手にとって比較的にお手軽なワンルームは、あまりにも数が多く、入居者を長年魅了させるマンションでなくてはならない。
3:IT等の情報により、不動産業者の情報だけではない。
4:入居者の種別?(社会人独身者又は、学生)
1室あたり最低25u〜30uを必要とするが、出来れば、ロフトや吹き抜け、メゾネットが好評である。現在大阪近郊でメゾネット型等は家賃が8万〜10万円程度である。
また、学生の入居者の場合、約25uとし、浴槽、トイレのセパレートが望ましい。
家賃は5.5万〜6万円いずれにしても、建築的合理性を考慮し、PSとの関係と外部空間との関係はシンプルに計画したい。
●マンション装備について。
1:給湯器
ガス給湯器、または電気温水器があるが、オーナーの維持費としては、ガスが有効である。
2:キッチン、コンロ
w1200〜1500とし、出来れば、SUS製オープンキッチンを採用する。(値段はホームセンターで5万円程度)これは耐久性が大変良い。またコンロは、オーナー維持費を優先すればガス式2口コンロを単独でキッチンの上部に配置する。(1万円程度)
3:浴室とWCの分離
浴室はUBとし、WCはシステムを使用する必要性は無いと考える。
また、視覚的脱衣スペースが必要である。
4洗濯機
持ち込みか据付か選択するとして、パンは一般の大きさを採用する。
(将来的に商品が無くなる可能性があるため、過去に無くなった商品が独身者タイプに多い)
5クローゼット
洋服と物入を兼用するため奥行が深いほうが使いやすいと考える。
6:玄関、リビング、寝室
ワンルームでも、空間的な広がりを確保しつつ、視覚的に玄関、リビング、寝室を分離できる平面計画が必要である。
7:空調機
ワンルームの場合標準で付ける場合が多い。
賃貸の場合、電気代よりも、コストの安価なタイプを使用すべきである。ただし室外機がやたら大きくなるので外部スペースに余裕が必要である。
8:バルコニー
バルコニーの必要性は個々さまざまであるが、よく物置と化している実態を多く見かける。建物のファサードの関係上、計画には注意する。
以上、収益上、最小限のコストで、最大の効果を必要とします。
私自身今までに実感することは、オーナーが同居する共同住宅は、設備の耐久性、メンテナンスの難易度から、掃除、ゴミ問題まで不動産管理者は、あてにならずダイレクトに問題解決をせざるをえない関係にあると言えます。
つまり、オーナー自身と設計者とが同じく責任を自覚し計画にあたらなければ、あとからのつけは、ご自身にかかるというわけです。

●オーナー住居について。
オーナーの住居については、必要な部屋数をお聞かせいただきました。
5人家族でお子様は成人しておられ、夫婦寝室、その他個室3室、共用スペースでは、リビング、ダイニング、キッチン、和室、その他サニタリーと納戸、テラス等であり、必要面積は敷地に対しての建築面積と同等のスペースを必要とする。
以前お見せいただいたプランを拝見すると、個室8畳間が4室、共用スペース8畳間が5室とすると72畳(36坪)、120uと外部テラスと階段室、EVを合わせると150uぐらいになる。

●オーナースペースの条件。
1:家族5人が健康的で気持ちのよい空間で過ごすことができる。
2:1階テナント及び入居者と、プライバシーを確保する。
3:建物全体が管理しやすいシステムであること。
4:駐車場は屋根付としたい。
5:1階玄関ホール、住居玄関との関係、EVの利用を含めたプライバシーの確保。
6:ライフサイクルに合わせて、5年後、10年後にも家族対応型のシステムを持ったプランが必要である。
7:絶対条件として、賃貸収益とオーナースペースの関係を見極めること。
(ソフトとハードのマッチング)
TWIN TYPE - 1
このタイプは、オーナー居住スペースと収益スペースを2分割してはどうかというタイプ。
どちらかと言えば、収益スペースを重視した計画ですが、プライバシーには優れている。
1階テナントの空間は、2棟間に出来たテラスにより、室内空間に広がりを増せる。
またそのテラスは最上階でトップライトがかけられ、開放感あふれる屋外空間として共用スペースを演出。
1階に屋内駐車場を確保できるのはメリット、オーナー住居個室のレイアウトは難しい。
可能性として、つめれば応用の利くプラン。
TWIN TYPE - 2
大小二つのBOXをつなぐ構成です。それぞれのボリュームは日影規制をクリアしつつ最大限の容積を確保できように決定される。
小さいほうのBOXには屋内駐車場の上にLDKがのっている。
大きいほうのBOXには店舗、ワンルームに挟まれる形で、オーナー住居個室が配置されていますが、二つのBOXを直交するように配置する事により、店舗、住宅、ワンルームそれぞれの領域の、視覚的および、動線の分離が可能となっています。
また変化する、ライフスタイルにおいて、家族と、ワンルームを兼用する2階住居提案型です。
問題点は数多く、日照や、住居スペースのデザインにおいては、課題がのこります。
TWIN TYPE - 3
上記2TYPEと異なり南北に二棟並べるタイプです。
四層と三層の二棟が建物と同じ大きさの中庭を挟み対面します。
中庭を含む1階店舗の区画割りは、縦割りでも横割りでも可能です。
ワンルームにおいても、西棟ではフラット2室、東棟ではメゾネット4室と多様な空間を構成できます。
店舗、ワンルーム、住宅とも十分な外部空間と、多様な間取りはさまざまな可能性が考えられます。
絶対容積の不足と中庭、テラスの完成度についての完成度は今後課題を必要とします。
SINGLE TYPE - 1
店舗4室、ワンルーム4室、住宅を積層した最も単純な構成です。
建物前面から店舗、ワンルームにおいては吹き抜けの階段室まで、また住宅においてはテラスまでと、貫通する構成となり、心地よい風が抜けると共に、空間の広がりを感じることができます。
全体として無理のない構成です、ワンルームは十分な広さの確保が出来ますが、4室と少ないですが、安定した収入の確保ができると考えます。
SINGLE TYPE - 2
上記のSINGLE TYPE - 1の単調な空間に変化をもたせることが出来ないかという一例です。住宅部分のLDKと個室部分のレベル差をつけることにより、ワンルームの天井高を一部3m以上とすることが可能となる代わりに、ワンルームを6室確保しました。
SINGLE TYPE - 3
上記のSINGLE TYPE - 1のバルコニーを無くし、また吹き抜けであった階段を階段室に収めることにより、住宅に付随するスペースを重視したタイプです。具体的には、駐車台数を3台、2階には物入スペースを確保しています。 また住宅においても、水周りを独立した形で配置でき、LDKに余裕がきます。

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